第二新卒者を積極採用する大手企業が増えてきています。
これまで大手企業は新卒採用偏重で、第二新卒の採用にあまり積極的ではありませんでした。
しかし最近は、大手企業も優秀な人材獲得のために、第二新卒を積極的に活用し始めています。
大手企業でも第二新卒採用が増えている
京大卒元プロ野球ロッテの田中投手が三井物産へ入社
京大卒のプロ野球選手として話題になった田中投手が、三井物産への入社が決まったようです。
少子化で企業が人材確保に苦戦しているなか、新卒が数年内に転職活動をする「第二新卒」に注目が集まっている。三井物産は、かつて内定蹴りされた元プロ野球投手の採用に踏み切った。名門企業としては異例の試みだ。「我慢が足りない」など第二新卒に否定的な見方もあったが、隠れた逸材がいると採用担当者は熱い視線を向け始めている。
この元ロッテ田中投手のように、第二新卒での就職が大手企業にも広がっています。
かつて第二新卒といえば、やはり中小の企業への転職が多かったのも事実です。
しかし三井物産のような大手企業でも、第二新卒者を大きな戦力として積極採用し始めています。
なぜ大手企業でも第二新卒者の採用が増えているのでしょうか。
大手企業でも第二新卒者の採用が増えている理由
- 少子化で人材の獲得競争が激しい
- 景気が回復してきて慢性的な人手不足の状態
- 年に一度の新卒採用だけでは優秀な人材を見極めきれない
- 第二新卒は自分の仕事観をきちんと持っている人が多い
少子化で人材の獲得競争が激しい
今は完全に売り手市場の就職戦線となっていますよね。
少子化の影響で、10年前、20年前と比較すると、そもそも新卒者の絶対数が減ってしまっています。
その中で企業は優れた人材を採用しなければなりません。
そうなると、大手企業と言えどもなかなか優秀な学生を集めることが難しいのが現状です。
それを補充するために、第二新卒者まで手を広げて採用をしているのですね。
例えば上記の記事中にあるように、「博報堂が16年度に中途採用した90人のうち、およそ半分が社会人経験5年目までの第二新卒」であることは、この事実を如実に表しています。
今後少子化が進むにつれ、第二新卒者が大手企業に採用されるケースは増えていくでしょう。。
景気が回復してきて慢性的な人手不足の状態
現在かなり景気が回復してきています。
それに伴い、企業では慢性的な人手不足の状況に陥っています。
ここ最近、転職求人倍率は常に2倍以上になっており、ITエンジニアなどは5倍前後のかなりの人手不足の状況です。
しかも新卒3年以内の離職率は30%に達する時代です。
新卒採用だけでは、人手不足は解消しきれないのですね。
そこで白羽の矢が立っているのが、第二新卒者です。
優秀な第二新卒者を獲得しようと、大手企業も採用を始めているのですね。
年に一度の新卒採用だけでは優秀な人材を見極めきれない
新卒採用は基本的に4月入社ですよね。
この年に1度の新卒採用では、優秀な人材を見極めることは正直難しいです。
その点、第二新卒での採用では1年に何度も採用することが可能です。
その都度優秀な人材を見つけて、必要な部署に補充することができるのですね。
もちろん第二新卒者は、即戦力としての働きは難しいです。
しかし面接を通じてその人物の将来性を見極めることが、新卒者に比べると時間をかけてできます。
人材の流動性が日本でも激しくなり始めているので、新卒にこだわらないよう大手企業も変化してきているのですね。
第二新卒は自分の仕事観をきちんと持っている人が多い
新卒入社して数年で退職する人の理由に
「仕事が合わない」
「自分に合った仕事がしたい」
というものが多くあります。
大学時代の就職活動では、正直なところ「自分に合った仕事」「やりたい仕事」というものが、ぼんやりとしかわかっていないことが多いです。
就職して働きだして初めて、「こんな仕事がしたい」とわかることは珍しくありません。
第二新卒者は、新卒者に比べると「自分の仕事観」を持っている方が多いです。
やはり社会人として働いた経験が「自分の仕事観」を作るのですね。
「自分の仕事観」があるのとないのとでは、やはり成長度合いが違います。
第二新卒者は、「自分の仕事観」を持っていることが多いために、より現場で活躍できる可能性が高いのですね。
第二新卒での転職は今がチャンス
第二新卒での転職を考えるなら、今は絶好のチャンスといえるでしょう。
それはやはり景気が回復してきているということが大きいです。
就職や転職は、その時の景気の状況にものすごく左右されます。
リーマンショックのような状況だと、就職することでさえひと苦労です。
景気というものはいつ突然悪くなるか、だれも予想できません。
もし景気が悪くなったら、第二新卒での転職も難しくなってくるでしょう。
転職市場のパイ自体が小さくなってしまいますからね。
ですので、この転職市場が活況な今こそが、第二新卒で転職するチャンスなのですね。
現在新卒3年程度で転職を考えている方は、このチャンスを逃さないようにしてください。