「会社を辞めたいんだったら、違約金として30万円の損害賠償をさせてもらう!」
会社を辞める時、違約金を請求してくるブラック企業が世の中には存在します。
もし退職するときに違約金の損害賠償請求をされたら、支払わなければならないのでしょうか。
会社を辞めると言ったら違約金を請求された時の対処法を見ていきましょう。
会社を辞めると言ったら違約金を請求された時の対処法
- 会社を辞めると言ったら違約金を請求された時のどうすればいい?
基本的には支払う必要はないので無視すればいい
しつこい時は労働基準監督署に相談する
最終的には弁護士に相談する
基本的には支払う必要はないので無視すればいい
労働基準法16条では、「賠償予定の禁止」を定めています。
例えば入社するときに、
「1年以内に会社を辞める場合は、30万円の違約金を支払うこと」
という契約書にサインをしていたとしても、その契約は無効になります。
予め、「違約金」「損害賠償額」を定めることは認められないので、その契約は無効になるのですね。
ですので基本的に、
- 「会社を辞めたからといって違約金を請求されることはない」
ということになります。
もし入社時に、「違約金」「損害賠償額」を定めていたらその契約は無効ですので、支払う必要は全くありません。
入社時に違約金を定めていないときは?
では入社時に違約金を定めていないときはどうなのでしょうか。
実はこの法律「労働基準法16条」では、損害賠償を請求すること自体は妨げられていません。
もし会社を辞めることで何らかの損害が出た時は、損害賠償請求をされる可能性があるということです。
退職は2週間前までに申し出る
例えば、会社に出社せずにバックレた場合などは、損害賠償請求されることもあり得るのです。
民法第627条では、
「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。」
と定められています。
逆に考えると、会社を辞めるには退職日の2週間前までに申し入れをしなければいけないということです。
いきなり会社を辞めてバックレると、会社に損害を与えたということになってしまいます。
その結果、損害賠償をされても文句は言えないのですね。
ただ、あまり不安に思いすぎないでください。
いきなりバックレたりしなければ、特に問題はありません。
きちんと退職日を決めて、2週間前までに会社を辞めると上司に申告すればいいのです。
これで2週間後の退職日には、自動的に退職することができます。
もちろん違約金を払う必要もないですし、損害賠償請求をされることもありません。
安心して、退職して下さい。
しつこい時は労働基準監督署に相談する
ブラック企業は、労働者をこき使って儲けようと考えています。
何とかして社員を辞めないように引き止め、こき使おうとしているのですね。
「辞めたら違約金30万円」などというのも、社員を脅して辞めないように引き止める手段にすぎません。
脅せば辞めないと思っているのです。
しかしこんな脅しに屈してはいけません。
毅然とした態度で、退職日を決めてその2週間前に会社を辞める申し入れをしましょう。
ただあまりにしつこい時は、労働基準監督署に相談することをおすすめします。
また実際に相談していなくとも、
「それ以上おっしゃるのなら、労働基準監督署に相談します」
と宣言しましょう。
そうすれば、ブラック企業であってもほとんどのケースであきらめます。
退職を渋々ですが認めてくれるでしょう。
「労働基準監督署」という言葉は、ブラック企業に意外と効果があるので覚えておきましょう。
最終的には弁護士に相談する
「労働基準監督署に相談する」といっても、まだ会社を辞めさせてくれない場合、最終手段として弁護士に相談しましょう。
ただ弁護士に相談すると、こちらも費用が必要です。
相談をするだけなら、1時間5000円~1万円程度でしょうか。
無料の相談会もありますね。
もし実際に依頼するなら、最低でも10万円~20万円程度は見積もっておく必要があります。
弁護士に依頼するときは、同時に支払われていない残業代も請求するといいです。
ブラック企業では、みなし残業・サービス残業で、法律どおりに残業代が支払われていないことが多いです。
その残業代を一緒に請求すれば、弁護士費用以上のお金が戻ってくる可能性があります。
まあほとんどの場合、「弁護士に相談する」と会社に言えば、その時点で退職を認めてくれるでしょう。
実際には、弁護士に依頼するまでには至らないことがほとんどです。
絶対に辞めるという強い気持ちを持つ
とにかく、「絶対に辞める」という強い気持ちを持つことがとても大事になります。
ちょっと脅されてひるんでいるようでは、ブラック企業の思う壺です。
「こいつは脅せば辞めることを撤回するはずだ」
と思われてしまうと、脅したり、泣き落としをしたり、いろいろな手で引き止めてきます。
まずは自分自身が、「絶対に辞める」という強い気持ちで、退職に臨んでください。
辞める前に転職活動を始めましょう
ブラック企業と言えども、給料は支給されているはずです。
しかし会社を辞めると給料は支給されません。当たり前ですね。
無収入になってしまうことは、やはりよくありません。
ブラック企業を辞めた後に、すぐ転職できれば一番いいですよね。
そのためには、ブラック企業で働きながら転職活動を同時にすることが望ましいです。
今の会社を辞めようと決意したら、まず転職活動を始めるのですね。
そうすれば、無職の期間を作ることなく、次の仕事をすることも可能です。
転職活動を始めて内定をもらうまで、一般的には3か月程度は必要となります。
ブラック企業を辞めることを決意したら、まずは「マイナビ転職」や「リクナビネクスト」などの転職サイトに登録してください。
スマホで簡単に登録できますので、ぜひ利用しましょう。
転職活動を始めると、気分も前向きになってブラック企業を辞める覚悟が固まりますので、おすすめです。
できるだけ早く転職活動を始めて、ブラックではないホワイト企業に転職してくださいね。