「離職率の高い業界ランキングは、なかなか嫌な響きですよねW」
転職を成功させるために、離職率の高い業界については知っておいたほうがいいです。
「離職率の高い業界=激務&安い給料=ブラック企業が多い」という図式が程度は成り立ちます。(すべてではありませんが・・・)
しっかりと業界の調査をして、ブラック企業への入社を避け転職を成功させましょう。
離職率の高い業界ランキング
2017年9月に、「新規学卒就職者の離職状況」が厚生労働省から発表されました。
これをみてみると、「離職率の高い業界ランキング」がわかります。
- 離職率の高い業界ランキング
1位 宿泊業・飲食サービス業
2位 生活関連サービス業・娯楽業
3位 教育・学習支援業
4位 小売業
5位(大卒) 医療、福祉
5位(高卒) 建設業
となっているのですね。
もう少し詳しく見ていきましょう。
1位 宿泊業・飲食サービス業
離職率の高い業界ランキング1位は、宿泊業・飲食サービス業となります。
ホテルや旅館といった宿泊業、ファミレスなどの飲食サービス業ですね。
大卒で50.2%の離職率なので、新卒入社しても3年以内に、その半分は会社を辞めてしまうということです。
高卒で64.4%なので、さらに多い約3分の2が辞めてしまうということになります。
宿泊業・飲食サービス業には、ブラック企業が多いとよく言われていますよね。
これらの業界は、とても競争が激しいです。
どうしても価格競争に陥りやすい業界なので、社員を安い給料で長時間働かせることによって利益を上げているのですね。
「24時間仕事のことだけを考えて生きろ」と言った有名な居酒屋チェーンの社長がいましたが、このようなブラック企業独特の思想がはびこっているのも特徴の一つです。
入社すぐに店長に
飲食業界では、入社すぐに幹部候補生という名のもとに店長に指名されることがあります。
「名ばかり管理職」というものですね。
労働基準法第41条では、
「監督若しくは管理の地位にある者(管理監督者)は、労働時間、休憩及び休日に関する規定を適用しない」
と定められています。
この規定をもとにブラック企業は、店長にすることで残業代なしで新入社員をこき使おうと考えているのです。
「お前は管理監督者だから、残業代は出ないよ」
ということですね。
実際は、権限のない店長は管理監督者に当たらないことがほとんどなのですが、ブラック企業はそんなことはお構いなしです。
洗脳と無知に付け込んで、社員に重労働を課します。
飲食業界では、このようなことが今でもまだ行われているのが実態です。
宿泊業・飲食サービス業の会社に転職するときは、かなり離職率の高い業界だと覚悟しておく必要があります。
もちろんすべての企業がブラックではありませんが、東証1部上場の有名企業だからといって安心できないので、注意して転職活動をしてください。
2位 生活関連サービス業・娯楽業
離職率の高い業界ランキングの2位は生活関連サービス業・娯楽業となります。
美容室・クリーニング・スーパー銭湯・エステ・ネイルサロンなどの生活関連サービス業や、パチンコ・スポーツジム・アミューズメントパークなどの娯楽業ですね。
これらに共通するのは、一日中立ち仕事が続くという点です。
もちろんすべての業務がそうではないですが、かなり体力的に厳しい職場となります。
また、土日祝日に仕事があるものがほとんどなので、カレンダー通りに休めないというのも一つの特徴です。
若い人たちにとっては、恋人や友人と遊ぶ時間が合わないというのは、離職率が高い一つの理由になるでしょうか。
意外と重労働のわりに、給料も安いのも理由の一つになっているでしょう。
3位 教育・学習支援業
離職率の高い業界ランキングの3位は、教育・学習支援業となります。
学校の教師や学習塾の講師、その他にも英会話教室、ピアノ教室、スイミングスクールなどいろいろな教育にかかわる事業がありますね。
いわゆる先生と呼ばれるお仕事なのですが、それなりの専門技術が必要となっていきます。
子供たちを教育するというやりがいのある仕事ですが、コミュニケーション能力も大事になります。
もちろん子供とだけでなく、その親とのコミュニケーションも大事になり、人間関係が非常に難しい職業でもありますね。
教育の現場は、残業も多く、体力・知力ともに必要な仕事です。
しっかりとした理念をもって仕事をしないと、なかなか務まらない職業なのですね。
4位 小売業
離職率の高い業界ランキングの4位は小売業となります。
スーパーマーケット、コンビニエンスストア、百貨店、アパレル業界など、モノを販売する業界です。
これら小売業は、長時間勤務のわりに給料が安いという特徴があります。
長時間の立ち仕事になることが多いので、体力的にもなかなか厳しい職場となります。
休日も、土日祝日は勤務になることが多く、恋人・友人と遊ぶ時間がなかなか合わないです。
飲食業と同様に、入社いきなり店長にされる「名ばかり管理職」の実態もあります。
仕事量と給料が釣り合っていない現実が、離職率を高くしているのでしょう。
5位(大卒) 医療、福祉
離職率の高い業界ランキング大卒の5位は医療、福祉となります。
医師や看護師、介護士などの仕事ですね。
医師や看護師は常に人手不足の状態なので、かなり労働時間は長くなります。
特に看護師は夜勤も多く、かなり体力的にも厳しい仕事ですね。
看護師は、常に人手不足の職場が多いので、転職をしやすい職業でもあります。
介護士は、その給料の安さがよく問題になっています。
体力を使う職場なのに、正直なところ給料がものすごく安いです。
一生に渡って介護士として食べていくのは、難しいのが現状となっています。
介護士から他の業界へ転職する人が、非常に多くなっているのですね。
5位(高卒) 建設業
離職率の高い業界ランキングの高卒5位は建設業となります。
一戸建てやマンション、その他建物の建設・施工・管理、リフォーム業界、大工、左官、塗装業などですね。
高校卒業後に建設の現場で働くというは、かなり厳しいですよね。
先輩からの厳しい指導や、そもそも現場仕事はかなり体力的にきついものです。
大卒で建設業に入る場合は、現場仕事というよりも、将来的に管理職の立場を目指して入社することが多いでしょう。
高卒での離職率が高くなっているのは、管理職よりも現場仕事に就く人が多いのでしょうね。
何年か頑張って仕事をすれば、いろいろな資格も取れる業界なのですが、3年もたずに辞めてしまう人が多いのですね。
ブラック企業に入社してしまったら
もしもブラック企業に入社してしまったら、どうすればいいのでしょうか。
世の中には、残業代がないサービス残業を強制するようなブラック企業がいまだに存在します。
「名ばかり管理職」の店長に、残業代なしで過酷な長期労働を強いる企業もあります。
このような残業代を支払ってくれないブラック企業で仕事をつづけると、体調を崩してしまう可能性が高いです。
精神を病んでうつ病を発症し、その後の人生が台無しになった人もたくさんいます。
多少の我慢は必要なのかもしれませんが、我慢しすぎることはないです。
世の中にはたくさんの企業があります。
そして今は景気が回復してきて、転職しやすい環境が整っています。
ブラック企業ばかりが企業ではありません。
ホワイト企業ももちろんですが存在しています。
転職活動をすることで、いろいろな企業があることを知ることができます。
ブラック企業に入社してしまったら、まずは転職活動を始めてみましょう。
若いうちならば、何度でもやり直すことは可能です。
行動することを恐れていては、未来は見えてきません。
ぜひ行動をして、自分で未来を切り開いてください。